SOMPOホールディングスは2020年度内に保険や介護事業で得られる行動データの外販に乗りだす。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用し、介護現場での薬の効き目や自動車の走行データを収集し、顧客の承諾を得たうえで匿名にして解析し、製薬や自動車メーカーの商品開発に役立てる。保険で培った顧客基盤を生かし、新たにデータ事業を開拓する。
今後はデータ事業を本業である自動車保険やサイバー保険、火災保険などにも順次展開していくとのこと。
自動車保険ではドライブレコーダーなどを活用してデータを収集し、自動車メーカーと提携して燃費削減や事故防止につなげることが想定される。
保険分野のデータ活用では、走行データを記録して保険料に反映する「テレマティクス自動車保険」などの導入が広がっている。
今回のSOMPOの取り組みは、自社のデータを他業界に展開する点が新しい。
同社は2018年からグループ内外のデータを統合するデータプラットフォームの開発に着手した。企業の財務情報や住宅、交通の情報など、より多くの情報を集め、解析の精度をあげる仕組みづくりを進めている。
SOMPOが顧客データの活用に乗り出すのは、異業種がビッグデータを強みに金融事業にも攻勢をかけているためだ。保険で築いた企業や個人のデータで先行者のメリットがあるうちに地位を固め、保険会社からデータ企業へ展開を目指す。損保会社は多様なデータを保有しており同業他社にも広がりそうだ。