T&Dホールディングス(注)は11月26日、子会社のT&Dユナイテッドキャピタルを通じ、米国のアメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)からクローズドブック専業保険会社であるフォーティテュードの持分25%を約637億円で取得することに合意したと発表した。
クローズドブックとは、新規引受を停止(ランオフ化)した保険商品の保有契約ブロックのこと。クローズドブック事業とは、他の保険会社が事業環境の変化等に応じて事業戦略・商品ポートフォリオを見直した結果として分離されるクローズドブックを取得・集約し、「バリューアップ」を通じて収益を実現する保険会社の事業形態・ビジネスモデルである。
フォーティテュードは、英領バミューダ籍再保険会社であるフォーティテュード・リーを傘下に置く持株会社で、フォーティテュード・リーは、2018年にAIGにより同社の新規引受停止済みの保険契約(クローズドブック)の一部を再保険引受(受再)する再保険子会社として設立された。
今回の取引により、フォーティテュード・リーは新たに長期的株主を獲得し、かつ、再保険債務に対する強固な資本基盤を維持していくことになる。
T&Dホールディングスは、2019~2021年度中期経営計画において、「クローズドブック事業」を有力な新規事業領域の一つと位置付けており、今後、戦略的パートナーとしてフォーティテュードに資本参画することで収益源泉の多様化を図っていく。また、本取引完了後、フォーティテュードへの取締役派遣を通じて同社経営に参画し、クローズドブック事業のノウハウを取得・蓄積していく。併せて、国内保険事業ポートフォリオとは異なるリスクの取り込みを通じたリスクプロファイルの多様化を追求していく。また、将来的な日本におけるクローズドブック事業の展開可能性についても追求していくとしている。
(注) T&Dホールディングスは、太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命の生命保険3社(T&D保険グループ)を中核とする持株会社。異なるビジネスモデルを有する生命保険3社が、それぞれの特化したマーケットにおいて独自性・専門性を発揮することで、グループ企業価値の安定的・持続的な向上に取り組んでいる。