お知らせ

再保険料率、世界で上昇 地震や台風など災害多発 損保各社、保険料上げ圧力に

損害保険会社が損失を補償するリスクを他の保険会社に分散して引き受けてもらう「再保険」のコストが世界で上昇している。米保険仲介大手によると、自然災害関連の再保険料率は米国で2019年6月に前年に比べて15%前後上がり、日本では2019年4月に同じく12%上昇した。地震や台風、ハリケーンなど災害の多発で保険金支払いが増えたためだ。地球規模の環境変化の影響が広がった格好で、今後、企業や個人が直接加入する商品の保険料も上昇する公算が大きい。

米保険仲介大手ガイカーペンターのまとめによると、2019年上半期時点でアジア太平洋地域の自然災害関連の再保険料は1%上昇した。日本でも、損保会社向けの風水災に関する2019年の再保険料率は前の年に比べて12%上がった。東日本大震災が起きた翌年の2012年をピークに下がり続けてきたものの、2018年の大規模な台風などによって再保険金の支払いが膨らみ、7年ぶりに上昇に転じた。

日本損害保険協会によると、自然災害による国内の保険金の支払額は2018年度に1.5兆円と過去最高に上った。リスクの高まりが世界全体で再保険料率を押し上げた。

損保大手各社は火災保険の料率を2019年10月以降、平均6~7%引き上げたが、再保険コストの上昇により、一段の保険料の上昇で対応せざるを得ない可能性がある。

再保険大手のスイス再保険によると、世界の異常気象による保険損害額は2017年に1417億ドルと過去最高に達し、2018年も735億ドルだった。米国でのハリケーンや山火事、欧州の干ばつといった巨大な災害が目立ち、再保険取引を起点にした損保保険料の上昇圧力が当面続きそうだ。

キャプティブについて