東京海上日動は、2019年6月13日、一般社団法人中部航空宇宙産業技術センター(「C―ASTEC」)と連携し、航空機部品・宇宙機器部品加工を行う中小企業向けの新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始することを発表した。
航空機産業は、高い安全性が求められる産業であるとともに、日本の産業全体に対する技術波及効果を持ち合わせる高付加価値産業。また、今後20年間で規模が2倍に拡大するといわれている成長産業でもある。
一方、航空機の製造事業者には、JISQ9100に基づく非常に厳格な品質管理が求められる点や、事業参入から安定的な収益の確保に長期間を要する点といった難しさがあると同時に、昨今では、LCCの台頭や完成機体メーカー間の競争により、製造事業者へのコスト削減要請や、国際競争の激化といった環境変化が起きている。
このような状況の下、経済産業省や自治体が進める航空宇宙産業クラスター形成(一貫生産体制の構築)と海外企業との取引拡大に資する取り組みとして、東京海上日動とC―ASTECでは今回、国内の航空宇宙産業生産高の5割超を占める中部地域から、新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始することとしたもの。
東京海上日動が新たに開発した専用保険(航空サプライチェーン保険)では、保険による補償に加え、東京海上日動とC―ASTECが、製造者の部品加工ビジネスにおける事故情報を収集・分析し、事故防止策として還元していくとのこと。