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損保大手3グループ2019年(平成31年)3月期連結決算

損害保険大手3グループは20日、平成31年3月期連結決算を発表した。MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)とSOMPOHDの最終利益は、前期に発生した米ハリケーンの保険金支払いが増えた影響などがなくなり、増益に転換。一方、東京海上HDは、前期に反映された米国の法人税率引き下げに伴う増益効果がなくなったことなどで、7期ぶりの減益となった。

西日本豪雨や台風21号など昨年相次いだ国内自然災害に伴う3社の保険金支払額は計約1兆6600億円となり、東日本大震災時を上回り過去最大となった。ただ、3社とも、大規模災害に備えて積み立てている「異常危険準備金(注)」の取り崩しなどで減少分をほぼカバーした。

各社は、今後も国内外で自然災害が増加することも踏まえ、危険準備金の繰り入れを増やすなど対応を強化する方針。

国内外でいかにリスクを分散するかが重要になる。収益基盤の改善に向けては、消費税率引き上げが予定される10月には3社とも火災保険料を値上げする。

売上高に相当する正味収入保険料は、中小向けの賠償保険や主力の自動車保険などの好調を受け、東京海上とMS&ADが増収。SOMPOは英国子会社を売却した影響で減収だった。

また、令和2(2020)年3月期の最終利益は、平年並みの災害発生や海外事業の拡大を想定し、3社とも増益を見込む。

(注)異常危険準備金

異常危険準備金とは、地震・大火・大型台風等の異常災害による保険金支払いの巨額化に備えて、損害保険会社が保険契約者から受取った保険料から一定割合を積立てる責任準備金の一つ。

責任準備金は、普通責任準備金と異常危険準備金を中心に構成されているが、普通責任準備金では負担しきれないような巨額な支払いに備え、異常危険準備金を積立てる。

基本的に損害保険料の料率は「大数の法則」を利用して設定されているが、単年度の収入保険料では吸収し得ない異常災害が発生する可能性があり、これらの支払いに備えるため、異常危険準備金の積立を行っている。

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