・日本損害保険協会は、加盟26社の2016年度決算概況を発表した。
・それによると、正味収入保険料(注)は、自動車保険が堅調に増収したものの火災保険の減収(火災保険の商品改定による保険料単価の低下)等により前年度比1.4%減の8兆2,439億円となった。
・損害保険の正味収入保険料は、戦後経済の高度成長とモータリゼーションの伸展等により、自動車保険を中核商品として一貫して拡大してきたが、保険業法が改正・施行され保険の自由化がスタートした1996年度をピークに1997年度から2010年度まで減収傾向が続いた。これは、保険自由化の進展で、保険会社間の競争が激化し、結果として保険料率の水準が全般的に下降したこと等が影響しているとみられる。
・その後、2011年度から2015年度まで、損害率の上昇に対応する料率の引上げ等で保険料は増収したが、今般2016年度は減収に転じた。今後の損害保険事業の動向が注目される。