金融庁は2024年6月25日、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」の報告書を公表した。昨年以降明るみになった旧ビッグモーター社による保険金不正請求事案や大手損保による企業保険分野での保険料調整行為事案に関して、同庁が一連の行政対応等において認識した構造的な課題について顧客本位の業務運営の徹底、保険市場の健全な競争環境の実現の観点から3月~6月にかけて有識者会議を実施し、指摘された主な意見を取りまとめたもの。
冒頭の「Ⅰ.はじめに」では、一連の問題やそれを受けて行った金融庁の行政対応とその間の問題意識など有識者会議を開催した経緯を記載。続いて、同会議で有識者から指摘された具体的な意見をまとめたものとして、「Ⅱ.顧客本位の業務運営の徹底」「Ⅲ.健全な競争環境の実現」「Ⅳ.その他の論点」と続き、最後に「Ⅴ.おわりに」で結んでいる。
「顧客本位の業務運営の徹底」は5項目に分かれており、「1.大規模代理店に対する指導等の実効性の確保」では、①損保会社による代理店に対する指導等の実効性の確保②金融庁・財務局のモニタリング強化③第三者による代理店の業務品質の評価の枠組みの検討④損保募集人の試験制度や継続教育の高度化・厳格化等⑤態勢整備の厳格化、自主規制機関についての検討―が示された。