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地震キャットボンド 「Kizuna Re III」の発行について (2024年3月22日 東京海上ホールディングスからのニュースリリース)

東京海上ホールディングスは、子会社の東京海上日動を通じて、日本国内の地震リスクを対象とするキャットボンド(注1)「Kizuna Re III」を発行した。本キャットボンドの元本は、世界銀行グループの国際復興開発銀行が発行する開発途上国支援のためのサステナブル・ディベロップメント・ボンド(注2)に投資する。こうした仕組みの構築は、日本で初めての取り組みとなる。同社は、グループのサステナビリティ戦略の一環として、キャットボンド発行を通じた開発途上国支援にも資する仕組みを構築し、サステナブルな社会の実現に貢献していくとのこと。

(注1)キャットボンドとは、損害保険会社が大規模自然災害の補償による損失の発生を避けるために売り出す債券のこと。あらかじめ定めた基準を超える災害が発生しなければ、利回りに加えて元本が投資家へ償還されるが、災害が発生した場合は元本の一部若しくは全額が減額される仕組み。

(注2)サステナブル・ディベロップメント・ボンドとは、世界銀行(国際復興開発銀行)が発行する社会貢献型投資の債券。開発途上国の貧困削減および開発支援を目的とした、教育・保健・インフラ・行政・農業・環境等の幅広い分野の世界銀行のプロジェクトを支えるために、国際資本市場で発行される。

投資を通じて社会に貢献したいという投資家の思いと、世界各国で展開される社会貢献プロジェクトへの資金需要の橋渡し役となっている。

 

1.背景

東京海上グループは、「事業活動を通じて社会課題を解決し、サステナブルな社会を実現する取り組み(サステナビリティ戦略)」を中長期的な成長エンジンとして位置付け、気候変動対策や災害レジリエンスの向上、自然の豊かさを守る取り組みを推進している。

東京海上日動は、自然災害大国である日本において、災害に対応する商品・サービスを将来にわたって安定的に提供し「災害レジリエンスの向上」に貢献していくため、伝統的な再保険キャパシティの調達に加えて継続的にキャットボンドを発行してきた。こうした中、東京海上日動はサステナブルな社会の実現に貢献するため、従来のキャットボンドの発行に留まらず、ESGの取り組みにつなげる新たな仕組みを日本で初めて構築した。

2.地震キャットボンド「Kizuna Re III」の概要

発行体 Kizuna Re III Pte.Ltd.(シンガポール)

スポンサー 東京海上日動

対象リスク 日本国内の地震

トリガー 3年間累積の最終正味損害額(一定規模以上の地震のみ対象)

発行金額 額面100百万米ドル

発行年月日 2024年3月21日 満期年月日 2029年4月6日

本キャットボンドは、将来の巨大地震発生に備えるための資金を調達するため、シンガポールに設立した特別目的再保険会社である「Kizuna Re IIIPte.Ltd.」によって機関投資家向けに発行したものである。

日本国内で発生した地震によって生じた損害が、あらかじめ設定した条件を超過した場合に、その超過額に応じて投資家へ償還予定の元本の一部または全部を、特別目的再保険会社「Kizuna Re III Pte.Ltd.」から東京海上日動への支払再保険金として充当する。

 

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