ダイレクト自動車保険7社(ソニー損保、セゾン自動車火災、アクサ損保、チューリッヒ保険、SBI損保、三井ダイレクト損保、イーデザイン損保)が発表した2021年度(2022年3月期)決算によると、7社の自動車保険の元受正味保険料などの合計は前年比4.4%増の3,975億円と前年実績を上回った。6社が前年比で増収となった(三井ダイレクト損保が減収)。
日本損害保険協会加盟29社の2021年度の自動車保険・元受正味保険料は4兆3,072億円(前年比0.7%増)であり、ダイレクト自動車保険の業界シェアは、9.22%(3,975億円/4兆3,072億円)となる。ダイレクト自動車保険の業界シェアは、まだ小さいながらも年々拡大しており、この傾向は今後も続くと考えられている。
【ダイレクト自動車保険】
新聞、雑誌またテレビ等の広告やDMによるダイレクト保険募集は、1982年1月にアメリカンホームが普通傷害保険と個人賠償責任保険について認可を取得し、販売を開始した。その後、1996年4月に保険業法の改正、1997年9月には自動車保険の通信販売が解禁となり、アメリカンホームがインターネットを活用した個人向け「リスク細分型自動車保険」を発売したのを契機に、現在7社が自動車保険のダイレクト販売を行っている。
【ダイレクト自動車保険7社の内訳】
ソニー損保の自動車保険は、保有契約件数が堅調に拡大したことから、元受正味保険料は前年比6.9%増の1,243億円と引き続き堅調に推移した。同社全体の元受正味保険料は同8.6%増の1,416億円、計上収益は同6.4%増の1,409億円となった。経常利益は同38.3%減の90億円で、当期純利益は同36.8%減の64億円となっている。
セゾン自動車火災の自動車保険の元受正味保険料は同6.7%増の547億円。同社全体の元受正味保険料は同5.5%増の596億円、経常利益は同989.3%増の24億円、当期純利益は同49%増の24億円となっている。
アクサ損保の自動車保険の元受正味保険料は、同2.7%同の543億円と前年実績を上回った。同社全体の元受正味保険料は2.4%増の575億円、経常利益は0.9%増の54億円、当期純利益は同1.9%増の38億円となっている。
チューリッヒ保険の自動車保険の元受正味保険料は同5.1%増の508億円と伸展した。年間を通して新規契約、継続契約とも好調だった。同社全体の収入保険料は、主力商品の傷害・医療保険と自動車保険の元受保険料が共に増収となったことから、同5.6%増の1,099億円となった。経常利益は同2.0%増の68億円、当期純利益は同27.0%減の55億円だった。
SBI損保の自動車保険の元受正味保険料は同4.6%増の447億円となった。地域属性に合わせたCM出稿やウェブサイト改善などのマーケティング施策の強化、また、「カシャッとスピード見積り」を大幅リニューアルするなど最先端のAI技術やビッグデータを用いた「DX Force2021」(社内横断DXプロジェクト)を全社的に継続して推進したことが伸びにつながった。同社全体の正味収入保険料は同4.9%増の325億円、経常利益は同143.8%増の12億円、純利益は同1,530.1%増の5億円だった。
三井ダイレクト損保の自動車保険の元受正味保険料は同2.8%減の350億円だった。同社全体の元受正味保険料は同2.8%減の351億円、経常利益は同43.4%減の8億円、当期純利益は同77.2%減の9億円となっている。
イーデザイン損保の自動車保険の正味収入保険料は同1.8%増の337億円だった。同社全体の正味収入保険料は同1.8%増の337億円、経常利益は同77.7%減の10億円、当期純利益は同77.2%減の9億円となっている。