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<損害保険会社の気候変動・自然災害への取り組み>損保、気候影響開示へ一歩 世界22社が計算モデル

世界の保険会社と国連環境計画(UNEP)は2021年1月19日、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の報告書を公表し、業界共通で気候変動が損害保険事業にもたらす影響を計算するためのモデルを示した。

当初、報告書が開示の統一基準になるとの見方もあったが、気候変動の影響は地域ごとの差が大きく、各社のリスク計測のノウハウも異なるため、適用の義務化は見送られた。

(日本の保険業界は「自主的、段階的に開示を進めていくことが重要」(日本損害保険協会))

 

報告書は(1)自然災害などによる直接的な損害(物理リスク)(2)脱炭素社会への変化に伴う損失(移行リスク)(3)訴訟の増加に伴う経済的損失(訴訟リスク)――の3つについて、保険会社が影響をどのように計算するかの例を示した。気候変動に伴う新商品開発にも言及した。

報告書の策定には再保険会社を含む世界の22社が参加。日本からは東京海上日動、損害保険ジャパン、MS&ADインシュアランスグループホールディングスが加わった。

保険会社は台風など自然災害のリスクを保険サービスで受け持つため、気候変動の影響は特に大きい(気候変動の影響を見積もるノウハウは保険会社にとって生命線)とされるが、開示拡充の流れで業界が足並みをそろえた。

報告書が提示した2050年の自然災害による直接的な損害の国際比較では、洪水や台風、海面上昇で日本が最も高リスクに分類されている。

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