・損害保険大手のMS&ADホールディングスはIT（情報技術）系の米欧ベンチャー企業5社に相次いで出資した。最先端のデジタル技術やノウハウを獲得し、保険商品やサービスに生かす。異業種の保険業参入などで競争環境が変わるなか、ベンチャーとの提携強化で対抗する。

・出資先は保険とITを組み合わせたインシュアテックを象徴する企業が中心だ。米スコープナウは交流サイト（SNS）の情報を分析し、保険金の不正請求を防ぐ技術を持つ。例えば自動車事故に遭った日時と運転手によるSNSの書き込みの矛盾などを見つける。

・クラウドサービスを手掛ける米ソコトラも出資先の一つ。同社のノウハウを生かせばシステム構築の負担が軽くなり、わずか1日で新商品を開発することが可能になるという。

・このほか小型無人機（ドローン）開発の米スカイキャッチ、金融ベンチャーの設立を支援する独フィンリープ、本人認証技術に強みを持つ米アベロンの3社に出資した。

・損保大手では東京海上HDやSOMPOHDも積極的に海外ベンチャーと資本提携を結んでいる。