・簡素な補償内容で身の回りのトラブルに備えて手軽に加入できる少額・短期の保険商品の利用が広がっている。(保険金額の上限が1000万円以内、期間が2年以内に制限された保険は少額短期保険(ミニ保険)と呼ばれる。)
・伝統的な生損保の商品と比べ、補償内容がシンプルで保険料も安いのが特徴だ。死亡時の保障を葬儀費用にあてる数十万~100万円程度に抑えたものや、家財が壊れたり、ペットが病気になったりするといった特定のトラブルに備える。
・このマーケットでは、スマートフォンを使い、保険とIT(情報技術)が融合したインシュアテックの「実験場」ともなっており、若年層の取り込みを狙い、新興勢と大手の競争が激しくなってきた。
・2018年に参入したスタートアップのジャストインケースは、インシュアテック企業の一つ。主力のスマホ修理費用を補償する保険では、スマホ内の加速度センサーで顧客の使い方を確認。スマホを落とさずに安全に使っていると保険料を割り引く仕組みを取り入れている。
・東急不動産系の東急少額短期保険は、2019年、グループのスキー場やゴルフ場などの利用者向けに、プレー中のトラブルを補償するオンデマンド型の商品を投入する。
・利用目的が明確で少額・短期のオンデマンド保険はスマホとの相性が良い。海外ではスタートアップの米レモネードが、賃貸入居者向けに月額5ドル(約550円)から家財保険を提供し、スマホを使った手続きや余った掛け金を寄付する仕組みで利用者を増やしている。
・大手保険会社も新興勢力に対抗し、若年層を取り込もうと力を入れ始めている。
・LINEが損害保険ジャパン日本興亜と組んで2018年10月に売り出した「LINEほけん」は、スキー、自転車、飲み会など特定の場面のケガなどに絞って補償し、保険料は数百円程度に抑える。
・第一生命保険も2019年にスマホで完結する少額・短期の保険を投入する。