お知らせ

損害保険会社の異常気象対策

・今夏続発した豪雨や台風被害を映し、大手損害保険3グループが2019年3月期に支払う保険金が過去最大に膨らむ。

・2018年度は西日本豪雨に続き21、24号と強力な台風が列島を直撃した。家屋や工場の浸水、建物の損壊など通期の保険金支払見込み額は3社合計で約1兆1千億円と、これまで最大だった05年3月期(7千億円超)を上回る。

・損害保険会社は「数十年に1度」の異常気象に備えた異常危険準備金を毎年積み立てており、これを取り崩す。拡大してきた海外事業が収益に貢献し、通期の最終損益に及ぼす影響は限られる。

・ただ今回の各社1千億円規模の取り崩しで準備金の残高は大きく目減りする。災害が相次ぐ日本を地盤とする日本の損保は、保険金支払い能力を盤石にするのはもちろん、業績を安定させるあらゆる努力が欠かせない。

 

<責任準備金(普通責任準備金と異常危険準備金)とは>

・保険会社は契約時に契約者から保険料を収受し、保険期間中に発生した損害の補償を約束しているが、この保険料のうち一定割合を将来の保険金の支払い等に備え「責任準備金」として積立てることが保険業法で義務付けられている。

・責任準備金は、「普通責任準備金」と「異常危険準備金」を中心に構成されているが、普通責任準備金では負担しきれないような巨額な支払いに備え、別途異常危険準備金を積立てる。

・異常危険準備金は異常災害(通常の予測を超えるような大災害)による保険金支払いに備えて積立てられる。異常危険準備金は、リスクモデルにより合理的に推計された計数を基礎として計算された再現期間70年規模の大規模自然災害(昭和34年の伊勢湾台風の規模に相当)に対応する推定正味支払保険金の額を積立上限額とし、累積の積立額がこれを下回る場合は計画的に積増しを行う。最低限度額は、再現期間30年に対応する規模の災害が発生するリスクに伴う異常危険準備金の取崩し額の期待値を下回らない額とされている。

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