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自然災害リスクを引き受ける大災害債(CATボンド)の発行が増えている

・自然災害リスクを引き受ける大災害債の発行が増えている。

・大災害債とは、「キャットボンド(CATボンド)」とも呼ばれ、投資家が自然災害リスクを引き受ける債券のことをいう。これは、地震や台風、ハリケーン、洪水などの自然災害の発生リスクを投資家が引き受ける代わりに相当のリターンを得る仕組みのことで、株式や債券などの伝統的な金融商品の値動きに影響されないという特徴があることから、分散投資の受け皿の一つにもなっている。

・2017年度の大災害債は、世界で約1兆円と過去最高を更新したが、2018年も最高ペースが続いている。2017年は米国で大型ハリケーンが相次ぎ、損害額は1千億ドルを超えた。

・保険業界の損失が過去最悪になっただけでなく、大災害債も元本割れが起こり、債券を組み込んだファンドの運用成績はほとんどマイナスに陥ったといわれている。

・リスクが顕在化したにもかかわらず、発行は国内外で増えている。2018年3月に東京海上日動火災保険や三井住友海上火災保険などが台風や地震リスクを対象に大災害債を発行し、その合計額は3月末時点で12億ドルとすでに通年の最高額を上回っている。昨年に約5億ドル発行した損害保険ジャパン日本興亜も発行を続ける構えだ。

・背景にあるのは金融緩和によるカネ余りだ。大災害債は元本割れのリスクがあるが、社債などに比べて高めの利回りが期待できる。年金基金などが運用先として活用しているといわれている。

・ただ投資家が引き受ける災害リスクは年々膨らみ、2017年には再保険市場の約20%を占めるようになった模様。資本流入で市場が安定する効果がある半面、災害リスクを投資家が過度に負うことには危うさもつきまとう。

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